徒然日記:A.M.T
家(2024.06.18)
神宮祭の頃、札幌で好きなお宅を外から眺めるために見回って車を走らすことが恒例です。
札幌市内に、自分で知っている限りの数になりますが、好きだなと思うお宅が5軒ほどあります。
そちらを毎年、この6月になると どこかかしか見て回る習慣があります。
理由は、お庭のよい季節。
今年はどんな感じで励んでいらっしゃるのだろうか。と、参考にしたいのと、自分自身の家事のマンネリ化を避けるために喝をいれる為でもあります。
自分が好きだなぁと思うお宅は、立派な家とかお金がかかっているとかそういうことだけが理由でないような気もします。
5軒のお宅の中には、ごく普通の一般的な造りのおうちもありますが、5軒が5軒、みなさん、そこはかとなく暮らしを楽しんでいるのがうかがえるそんなお宅たち。
あるお宅は、渋いグレーのコンクリートの外壁に、黄色(それも選びに選び抜いた黄色、マスタード色 品の良い黄色)を窓枠そして数か所の扉に使用していて、カーテンのタックのとりかたも贅沢にとって窓辺から静寂さを醸し出している。
几帳面な人が住んでいるのに違いないと思う。
家周りは、雑草が生えていなく家の前に置いた二つの茶色い甕には、パステルに色づいた花が植えてある。
お庭は、家の持つ静寂な空気に程よく色合いを添える。という具合のタッチ(このタッチ具合がすっごく微妙なのだ)で、淡いのに色味の持ってゆきかたが、これもまた、選んでいるなと思わせる花を選んで植えている。
センスの良いお宅だなぁと、いつも感心してしまうお宅。
男の人が家周りに関しては主導権を握っていると感じさせる家。
悔しいけれど、男の人のセンスの良い人には敵わないと思うような人が、世の中には大勢いる。
もう一つのお宅は、白い壁とガラスと、そしてシルバー色のスチール素材(今風なんだけれど、それだけではない印象を持たせる)を使ったお宅。
白い壁、ガラスで出来た風除室を引き立たせるのに、トロピカルなビビットカラーの花々の鉢植えを毎年、賑やかに飾っているお宅だった。
今年前を通ったら、表札がなくなり、そして目に鮮やかなお花たちは飾られていなく、植木も元気がなく、持ち主を失うと、家は本当に精気を失うのだなぁと思った。
きれいに、楽し気に、一生懸命に家を、暮らしを楽しもうとしているお宅からは、なにかいい和音が流れてきてついつい走らせている車を停めて見入ってしまう。
庭仕事が好きではない人もいるから、無理強いは出来ないけれど、土いじりの好きな人のいるお宅は木も花も嬉しそうだ。
全てのものは生きているんだなぁと、風も生きているのではないか…と思うほど、風の向きで、対流で、木の成長も変わったりするのを目の当たりにみると、生きる、成長する、そして終わりを迎えるという絶対の真理を、小さな小さな庭の中の小宇宙で、体感できるのだから。
Nightmare(2024.05.08)
GWの旅の疲れのせいだろうか…ここ最近 後味の悪い夢ばかりみて起きる。
枕の向きが悪いのだろうか。
後悔の諸々の出来事が出てきたり、父から叱られる夢であったり、またそれが結構ありありとリアルで…今日こそはいい夢みたいと思いながら眠りにつく。が、いつも惨敗の結果でうなされる夢ばかりみているから朝起きても今一歩疲れがとれない。
九州の旅は、終わってみたら、行ってよかったとは思うものの、根が旅好きではないから家でガーデニングしているほうがやはり幸せと、無事に帰ってこれたことに感謝しながら育てたバラを玄関先に飾り悦にはいる。
GWは念願の吉野ケ里遺跡、祐徳稲荷神社そして平戸 大河内山をめぐってきました。
吉野ケ里遺跡の弥生時代の人のマネキンがすご~~く力のはいったもので最初の数体で力尽きたのか最後の方の数体はもはや顔のない簡略化したものであったのが残念。
もっとみたかったなあ、あの魂を入れた作品。
Soap 石鹸(2023.12.09)
音と香りには贅沢しました…と、自嘲気味に言う人からはたしかにほんとにいい香りがするものだなぁと思います。
ある人がすごくいい香りをしてたので、いい香りですねぇと言ったら紹介してくださったのがDiptyQutというあのフランスからの香りのライン。
石鹸と、髪にかけるスプレーを買い求め、お風呂場で豊かな香りに包まれ、白髪の髪に少し華やかさをとスプレーをふりまき、まぁなんとかがんばってます。
しかし、この香りの魔術。
これは 嗅覚が人より発達していて香りにこだわるタイプの人というのは必ず香りを羽衣のように何重にもレイヤーするように思います。
香水をプップッとかけて終わりではなく。
石鹸からボディクリームそしてフィニッシュのフレグランスと段階をおってゆく贅沢Luxuriousな時間を楽しんでいる洒落者です大体。
我が夫のように、セーターの上にオーデコロンかけて満足しているような人はまずいません。
その洒落者がおっしゃるにはですよ…香りを一つだけでなんとかしようとすると直線的になりすぎるから面白くないんだそうです。
同じラインのものをSoapからCreamそしてScent(香水)までつなげていってごらんなさい楽しいよ。という言葉を実行してみたことがありました。
まだシャネル19番に石鹸があった時のこと。
ある時期から店頭では買えなくなり、それでなんとなくその贅沢な時間はなくなってしまいました。
でもいままたこのDiptyQutとの出会いを機にクリームはさておきSoapとScent(今回はHair用スプレー)で楽しんでいます。
イタリアの香りは少し宗教的な香りがし、フランスの香りは少しだけワルな香りがするんだなぁ…といまは ちょいワルな香りに酔いしれております。
よーく観察してみると、この羽衣をレイヤーのようにひとつひとつ重ねてゆく感覚というのは洒落者の人たちの極意なのでしょうかね…
服にしてももちろん、肉体美で一枚のTシャツを魅せる着こなしもあるのでしょうけど、大体お洒落上手な人たちはカーディガンひとつとっても、体を温めるために羽織るだけという着方はしないように思います。
シャツの色を際立たせる色を必ず選び、カーディガンを羽織ります。
例えば少しクールなミント系のシャツがあるとその上に同じようなトーン、少しミントの入ったアイスグレーの狐でも狸でもできればカシミヤだと最高なのでしょうけど、下に身に着けるもののトーンが繋がる色と質感のハーレーションをカーディガンに求めているといった具合。
または清潔な白にキッパリとしたネイビーのカーディガンとか。
寒い時に一枚うえに羽織るための面白みに欠けると思っていたカーディガンが突然、色々と自分に問いかけてくるようになり、へぇぇ カーディガンはそういうものだったんだ。と、嬉しくなりました。
これから寒い季節になりますね。
まずは石鹸と、そして羽織る楽しさも取り入れ味わいたいものです。
おでん作りよーいどん!Let’s make Odens!(2023.10.12)
秋が深まってくるとコトコトと台所で煮炊きものをする気になってまいります。
先日の休日は オックステールのワイン煮をしました。新しいレシピにそって試みたのですが失敗しました。
私には少しハードルの高い方法であったことと、母から図書館に行きたいから連れていけだのなんだのと邪魔が入り作業が中断されてしまったからです。
それなりの味と食感になった従来の人のレシピにお肉系のワイン煮は落ち着くことに決定しました。
さて、おでんはあのばあばと親しまれていた鈴木登紀子さんのレシピに従いました。
お出汁にコンソメを入れることがコツのようでした。
やさしいいいお味になりました。
母の友達が泊まってゆかれるというので差し入れとしてシニア向けかなと作ったのですが、私たち自身も大好きな味となりました。
これから出番がある一皿だと思いました。
秋の休日の午後は台所でコトコトトントン過ごすのが嬉しくなります。
The dream seekers(2023.06.30)
誰かが言っていた。想念は現実となる。と。
いいだけ時を重ねてひとつひとつ振り返ってみると。
それは本当かもしれない。と思う。
その想念が出来るだけ純度の高いものであれば高いところを目指すことのできた人はそこにいけるのかもしれないし。
高い運動能力と知能と健康とまた度胸のそろった人ならば大きく大きく羽ばたいていけるのかもしれない…と、時々思うことがある。
けれどほどほどの運動神経と、人より少し劣り気味の頭脳と気の弱さが虚弱体質につながるといった自分といった人間の想念を大きく支えてくれたものは数少ないながらも同じ本を何度も何度も読み返し、イメージを膨らませることが大好きだったその習慣だったのかもしれない。
Penelope Keeling stood in the middle of her warm and cluttered kitchen and tried to thing what she had to do next, and then decided there was nothing, because all that could be was already accomplished. …
But now all was ready. Fires lighted in the sitting room and the dining room, drinks set out, wine opened to chambre. Here, in the kitchen, the air was filled with the scent of slowly roasting sirloin, baking onions, and crisping potatoes. She had made pastry, peeled apples, sliced beans* from the deep- freeze, scraped carrots. Later, she would arrange cheeses on a board, grind the coffee, decant the thick cream she had fetched from the village dairy.
自分が料理をするとき、常にこの情景がイメージの中にある。この人の描くキッチンの文章が脳裏に刻まれて私の身体が動く。
辰巳さんの料理の本。そして、このRosamunde Pilcherという人の書く文章が私の脳に映像をつくっていく。
それらが私の想念なのかもしれない。と思う。
本は、字を読むことが出来る人でもしもあるなら。(読むことが難しい人もなかにはいる。その場合はオーディオという便利なものもある)出来るだけ自分が関心のあるものを選んでいくと無理だと思っていたことが 数十年後には出来てたりするから不思議だ。
早い人なら数年なのかもしれない。
わたしには十年以上の月日がかかったが、昔々、辰巳さんの料理本を読み、こんな料理を作れる人になるのは一生かかっても無理なんだろうなと思いながらいた。
が、レベルはどうであれ作っている。
そして読んだ本の文章のようなことが出来るのは無理なんだろうな…と思っていたけれどそれに近いことはなんとなくしている。
想念は 現実となる。
一年長期保存ピクルス完成(2023.05.12)
出来ましたああ。
これで本当に一年間長期保存可能なら、苦労して作った甲斐があるはず。
昨夜、さっそく夜6時半に帰宅して、塩しておいた鶏ささみのフライを揚げ、茹でておいた行者ニンニクとルッコラをお皿に盛り、そしてこのピクルスを添え、鶏ささみフライを揚げる前に白カブの葉を干しておいたのものを、水分なくすように弱火で揚げて、それに塩をパラりとふったもの。
そんなものもふんわりかけてお皿に盛ったら(またもや食することに徹してしまい写真撮らずじまい)
これなかなかいい感じの一皿に出来上がりました。
味もピクルスの熟れ味がいい方向に鶏ささみフライをもって行ってくれる。
いいわぁこれ。
こういうのがあると色々と食卓にあがるものが助けられるんだ。と、嬉しくなりました。
もしも料理作るのが苦手嫌い。と思っているような場合は、何を作ろうか、いやだなぁと台所に立つことが苦手に思える理由があるのではないかなぁ…と。
仕組みづくりを持てたらみな次から次へと手が動いてくるような気がするのですが…。
上に盛ることだけを意識した食事作りは確かに疲弊してくると思います。
が、下に下に落としてゆく感じで料理に取り組むと面白くなってゆくように思います。
夏の間は鶏ガラや牛のすじ肉からのスープ(出汁)づくりは少しおやすみして、カツオ節を使った出汁をこの季節はストックしておこうかなと考えています。
夏は和の出汁が旬の素材に合うような気がするのです。
仕込み料理 熟成れものづくり(2023.05.09)
すっかりと東北の味に魅せられてしまった自分は、常々自分の足りないと思っていた分野にとりかかりました。
冷蔵庫はなるべくすっきりと味噌、バター牛乳チーズ等以外は毎日食べるものを循環良く買い足すくらいで良い…と思ってやってきてはいましたが、でもそれだと平日6時過ぎに帰宅してから作り出す料理に限界を感じていたのでした。
で…東北の人のてまひまをかけた料理法に多くのヒントがあると。そこに私の救われる道はある。と
札幌に帰ってきて残りのGW休み中は 庭の伐採土いじりと、ひとつでも仕込み料理をしよう。と
数種類の野菜の長期保存型の酢漬けに挑戦することに。
材料は今時期は、山うど、他きゅうり、大根、ニンジン、セロリ、茗荷、小さな玉ねぎ、かぶを酢漬けするのに良い大きさに合わせて切ってゆき、それを10パーセントの塩水に計6日間つけてから、しっかりと水切りし、合わせ酢(氷砂糖、酢、そして 洋風だと白ワイン)を50度くらいの温度にしたもので10分くらい煮るというか温かくして、それを保存するもの。
こんな手間をかけてまでと思うけれど、自分が欲しかったのは1年くらいは小刻みに出して食べれるもの。
時間が良い方にしむけてくれるそんな一品。
糠漬けにも再挑戦。
これまで冷蔵庫に入れて手入れしていたから、今一歩心がはいらなかったけれどパントリーの少しひんやりしたところに置いて毎日手入れしながら今年は夏野菜 美味しく漬けよう。とがんばってみようかと思ってます。
ほろ苦い味。時間とともに熟成してゆく味。
そういったものを上手く取り入れて献立を組み立ててゆくと、食卓が豊かになるのだと…それを教えてくれたのは、今回の旅でした。
新鮮なものばかりを追いかけて追いかけての食の組み立てに限界を感じていた
ちょうどそんな時に、出会うことの出来た東北の味。
これまで出会うことがあっても…その時ではなく、残念なことに気づかなかったのだと思います。
もてなし自分流(2023.03.23)
先日、友人2人が家を訪ねてくれた。
この祝日の存在が大変ありがたく。
翌日が平日で休みの定休日というのが実に実に貴重なのだ。
しかも!トンプソンはラオスに行き不在。
さあ女友達を招こう!いくら肩肘張らない仲とはいえ、さて何で招こうか。
と決めたのがオーブンのパンそのままで作るパエリアと普通のサラダそれにガスパッチョ。
その3品のみ。
自分が人に料理を作るときまず3品くらいを目安にしている。
それ以上は雑な自分には難しいことがわかっている。
そして一つだけ課していることは、作る工程を必ず丁寧に丁寧に心がける。
清潔に、丁寧に。味の美味しいまずいはそののちで。
プロの料理人ではないからとにかく新鮮なものと清潔さ。それだけである。
アルゼンチン、スペインと1か月以上かけて過ごし帰国して3日目の友人と、旦那さんにお刺身をあたえて(犬のようですが)かけつけてくれた友に感謝。
そして 札幌不在だからと、ニュージーランドのスパークリングとマヌカハニーのお土産の差し入れをしてくれたKさんに。
心よりの感謝を込めて。それなりに懸命に作りました。
平均年齢62歳の女の集い。
少し遅めの桃の節句をイメージしてテーブルを意識してみました。
トンプソンのお母さんからいただいたリネンが大活躍でした。
お義母さん、ありがとう。
次回の会はバーベキューできたらいいなぁと思ってます。
支払いは待ってましたとばかり出船の様に…(2021.07.06)
明治生まれの小学校しか出ていない 曾祖母の語録を 時を経て母から聞くことが時々ある。
3つほど印象に残り、ここ最近なるほどなぁ本当にその通り昔の人は高い教育がなくても知恵を持っていたのだ。と感心することがある。
キクさん語録
その一。
カラスが、かぁあと鳴いたら 利息が増える。← 分割払い、利息の付いた買い物は極力するなの教訓。
その二。
ツケで物を買うということは、亭主を質(抵当)に置いたようなもんだ。←上と同じで利息のついた買い物は避けるように
そしてその三。
支払いは、待ってましたとばかりに。←お金にルーズなのは信用を失う。
この三つは私も年を重ねるごとに ほんとに感じ入ることで特にこのその三、支払いは待ってましたとばかりに出船のごとく…は人の心理をよくついているなぁと。
どこそこ大学出身です…と誰も聞いてやしないのに言うような人がお金にルーズだったりするのを垣間見ると…
小学校しか出ていなくても、利口者は世間から多くを学び生きてゆけたそんな時代のほうが、今よりよほど良かったんじゃないか?と思ったりする。
キクさんは出入りの業者さんが来る日には必ず支払いのお金をちょっきり封筒に入れて待っている。そんな人だったらしい。
その姿をみて育った母は、ダスキンさんやその他マッサージで来てくれる人、お米をご厚意で自分がとるついでだからと届けてくださる方、そんな方々が来る日の前に封筒にお金を用意して宛名を書いて待っている。
私はこんなにいいお手本が近くにあったというのに全くいったい何をみていたのだろうか…と最近になりとても反省しながらその点に気をつけながら見習っている最中で。
でも…最近注意して暮らすようになったら分かったことがある。
生き金…って このことだな。と。
私は生き金の意味をはき違えていた…とこれまでの自分を心から反省した。
生き金っていうのは自分の得や、自分への投資とばかりに使うことではなく相手に気持ちよく思ってもらう様に使う。ということだ。と。
お茶の先生が封筒に新札でお稽古代はお願い申し上げます…とうるさく言った真意はこれを教え諭したかったのだろう。
けれど私は茶室ではなくストリート(世間の出来事)からしか物事を学べない愚かなところがあって最近やっとわかった。
封筒を用意し、新札に気持ちをこめて待ってましたとばかりに支払うところにお金を支払う心構えを持ってみたら何か少しずつだけれど違うような気がする。
まず支払われた相手様が気持ち良いと思う。